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専門用語解説『ハロゲンランプ』

2021.04.01

1. 用語の意味と基本解説(初心者向け)

  • 用語名:ハロゲンランプ

定義

ポッティング剤とは、電子部品や回路を保護するために使われる封止材のことです。
ハロゲンランプとは、白熱電球の一種で、通常の白熱電球に比べて寿命が長く、光の効率が高いランプです。

一般的な用途・事例
ハロゲンランプは、白熱電球の特徴を持ちながら明るく効率的なため、さまざまな場面で使われます。一般的な用途と事例は以下の通りです。

一般的な用途
家庭用照明:スポットライトやダウンライトとして利用
商業施設・店舗照明:商品やディスプレイの照明に使用
屋外照明:投光器、明るさが必要な道路や駐車場照明
舞台・演出照明:演劇、展示会、博物館のスポット照明
自動車用ライト:ヘッドライトやフォグランプ


具体的な事例
家庭のダウンライト:リビングの天井埋め込み型照明
店舗のショーケースライト:宝飾店やアパレル店で商品の色を鮮やかに見せる
スポットライト:美術館で絵画や彫刻を照らす
自動車ヘッドライト:多くの普通車のハロゲンヘッドランプ
ハロゲンヒーター:ハロゲンランプの熱を利用した局所加熱

2. 技術的な詳細・現場での使われ方(専門向け)

  • 技術的な仕組み

ハロゲンランプの技術的な仕組みのポイントは、白熱電球にハロゲンガスを加えてフィラメントの寿命を延ばし、高温・高効率で発光させる構造です。

1. 基本構造
タングステンフィラメント:電流を通すことで高温になり光を発する(通常の白熱電球と同じ素材)
ハロゲンガス封入:ヨウ素や臭素などのハロゲン元素を、白熱電球のガラス内に封入する
耐熱ガラス球:高温に耐える石英ガラスや耐熱ガラスを使用

2. ハロゲンサイクルの仕組み
フィラメントが発熱する → タングステンが蒸発
蒸発したタングステンがガスと反応 して タングステンハロゲン化合物を形成
フィラメント近くで再結晶化 。フィラメントに再び沈着
結果として フィラメントの寿命延長とガラスの黒化防止

3. 特徴
高温で使用可能(2500~3000K程度) → 白熱電球より明るくなる
光が白く、色再現性が高い → 商品や作業対象を自然に照らす
コンパクト設計が可能 → 小型スポットライトに適する
  • 他の用語との違い

ハロゲンランプは熱源としても幅広く活用されています。似たような用途で用いられるのが、カーボンランプとニクロム線です。それぞれの違いを以下の表にまとめました。

項目ハロゲンランプカーボンランプニクロム線
構造タングステンフィラメント+ハロゲンガス封入カーボンフィラメント(ガラス内真空)ニクロム線(クロム・ニッケル合金)
発熱温度約2,000℃約1,100℃前後約200~600℃(使用条件により変化)
光の特性白色光で明るく、熱の一部として放射赤熱光で暖色、熱利用向き光はほとんど出ず、効率的に熱を得られる
寿命数百~数千時間程度数千時間程度数千時間~長寿命(光利用で消耗少ない)
加熱用途の特徴高温で金属加熱などに向いている。水分と相性が良い。塗装乾燥や水分乾燥で活躍。効率よく安定した加熱が可能。ヒーターや乾燥炉などの熱源用途に最適。
  • 使用される条件・装置

発熱体温度は約2,000℃と高温。金属の加熱に適しており、金型の予備加熱などで使用されています。

■関連記事

  • 現場でのメリット / デメリット
    • メリット
1.高温発熱が可能:約2,000℃まで到達して、短時間で対象を高温にできる。局所的に強い加熱が必要な現場に向く。


2.放射加熱でクリーンに加熱:対象物を照射して効率的に加熱可能。樹脂硬化、塗装乾燥、接着剤硬化などに利用される。


3.応答性が速い:電源を入れるとすぐに高温になるため、予熱時間が不要。サイクル運転にも対応しやすい。


4.小型で取り付けが容易:ランプ自体がコンパクトで、狭い空間や局所加熱設備に組み込みやすい。
  • デメリット
1.消費電力が大きい:高温となるためエネルギー効率は高くない。長時間稼働では電気代が大きな負担になる。

2.寿命が比較的短い:数千時間レベルで交換が必要。ニクロム線ヒーターなどに比べるとランニングコストは高め。


3.熱が局所的で偏りやすい:広範囲を均一に温める用途には不向き。


4.光がまぶしい:加熱と同時に強い光を発する。

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