
「毎日、始業の1時間前に来て、加熱炉の暖気運転を行っているけど、効率化できないの?」と思っていませんか?
始業前の暖気運転は、多くの現場で「当たり前」とされていますが、それが工場の電力コストを押し上げる要因となっています。
本記事では、見過ごされがちな暖気運転や待機電力のムダに着目し、必要な時だけ加熱する新しい運用方法をご紹介します。省エネと生産性を両立するヒントとして、ぜひ参考にしてください。
加熱炉は立ち上げに時間がかかることから、生産を開始する始業前から暖気運転を行っているケースが珍しくありません。
上記2点に着目して、エネルギーロスを確認していきましょう。
多くの工場では、「加熱炉の立ち上がりに時間がかかるから」という理由で、始業30分前から稼働させる運用が定着しています。しかし、この時間帯に実際のワークは投入されておらず、生産に一切関与しない状態で、ヒーターとファンがフル稼働しているのです。
この30分は1日単位では見過ごされがちですが、月20日稼働であれば10時間分、年間では100時間を超える無駄な加熱時間になります。しかも、これはオペレーターの判断ミスではなく、「そうするのが当たり前」という慣習によって生まれているロスです。暖気運転を前提とした運用を続ける限り、エネルギーコストは気づかないうちに積み上がっていきます。
加熱炉は、「一度停止すると再昇温に時間がかかる」という理由から、生産が止まる昼休みなどの時間帯でも稼働させたままになりがちです。特にバッチ炉では、次の処理までの待ち時間が読みにくく、「またすぐ使うかもしれない」という判断で常時電源ONの運用が続いているケースが少なくありません。この間も設定温度を維持するためにヒーターやファンは稼働し続け、待機電力が消費されています。
待機電力は生産量に比例しないため、改善効果が見えにくいのが厄介な点です。生産が止まっていても電力メーターは回り続け、結果として「生産していない時間」にコストが発生します。常時電源ONを前提とした運用は、加熱炉が抱える代表的なエネルギーロスの1つと言えます。

加熱炉の暖気運転を極力短くするためには、熱源の変更が欠かせません。TPR商事の『QUTクイックウルトラサーモ』は最速15秒で約500℃まで昇温する遠赤外線ヒーターです。
加熱炉の熱源として採用することで、必要な時だけONにする運用が可能となります。
QUTクイックウルトラサーモの最大の特徴は、電源を入れてからわずか15秒程度で約500℃に到達する、圧倒的な昇温スピードにあります。従来の熱風式加熱炉では、炉内全体を熱風で加熱する必要があるため、立ち上がりに数十分以上を要するのが一般的でした。一方、QUTはワークを直接加熱する仕組みのため、ムダなエネルギーロスを最小限に抑えられます。
さらに、電源をOFFにした際の降温もとても速く、非常時でも安全な運用が可能です。この高速な昇温・降温特性により、「早めにONして待つ」「止めずに温度を維持する」といった従来の運用が不要になります。必要な時だけ瞬時に加熱できる応答速度こそが、QUTによる省エネ運用を支える中核技術です。
QUTの高速な昇温・降温性能により、加熱炉の運用は「常時稼働」から「必要な時だけON」へと大きく変わります。
「ワークが投入される直前に電源を入れ、処理が終わればすぐにOFFにする。」
このシンプルな運用が可能になることで、暖気運転や昼休みの時間に消費されていた電力を根本から削減可能です。
従来は、立ち上がり遅れを避けるために余裕を持った運転が必要でしたが、QUTを採用した加熱炉ではその必要がありません。結果として、電力消費は生産量と連動し、「作っていない時間」にコストが発生しない状態を実現できます。これは単なる省エネ対策ではなく、運用ルールそのものを変える改善であり、オペレーターの熟練度に左右されにくい再現性の高い省エネ手法と言えます。
【卓上加熱炉の画像を挿入】
QUTクイックウルトラサーモを採用した加熱炉は、従来の熱風加熱から遠赤外線加熱に置き換えることで、加熱炉自体の省スペースにも貢献します。
それぞれについて掘り下げて確認していきましょう。
従来の大型乾燥炉は、炉内全体を均一に加熱する構造上、必要以上に大きな熱容量を抱えています。その結果、処理に直接関係しない周囲空間まで温めてしまい、広い排熱エリアが発生します。特に夏場は、作業環境の悪化や空調負荷の増大につながり、加熱工程以外のエネルギー消費も押し上げていました。
QUTクイックウルトラサーモを採用した卓上サイズの加熱設備へ転換すれば、必要な加熱エリアだけにエネルギーを集中させることが可能です。炉全体を温める必要がなくなるため、放出される排熱量は大幅に低減します。排熱エリアの縮小は、空調コストの削減や作業環境の改善にも直結し、工場全体の省エネが可能です。
従来の加熱炉は、立ち上がり時間や設備サイズの制約から、工程ラインとは切り離された場所に設置される『バッチ式タイプ』が多く、ワークの搬送や一時保管が発生していました。この結果、工程間に滞留が発生し、作業動線やスペース効率の悪化を招いていました。特に多品種少量生産の現場では、段取り替えや待ち時間がボトルネックになるケースが多くあります。
QUTクイックウルトラサーモを採用した加熱炉は、遠赤外線加熱による時短効果と高速昇温により待ち時間を必要としないため、前後工程と直結したインライン配置が可能です。加熱工程を生産ラインの一部として組み込むことで、搬送距離や中間在庫を削減できます。結果として、工場内レイアウトがシンプルになり、スペースの有効活用と生産性向上を同時に実現可能です。
QUTクイックウルトラサーモは、樹脂の真空成形のシート予備加熱工程で多数の採用実績があります。
上記2つについて掘り下げて確認していきましょう。
QUTクイックウルトラサーモは、樹脂との相性が良いという放射特性が特徴の遠赤外線ヒーターです。ある現場では、成形前の予備加熱に要していた時間が60秒から20秒まで時短された事例もあります。
加熱時間が1/3になれば、当然ながら1サイクルあたりの消費電力も1/3になり、日々積み重なることで、消費電力量は大幅に低減します。
従来の熱風式や昇温・降温が遅いセラミックヒーターの場合、待機時間中も温度保持のために電力を供給しておく必要がありました。QUTクイックウルトラサーモは、約15秒ほどで約500℃まで昇温するため、ワークを加熱する時だけヒーターをONにするという制御が可能です。
また、ヒーターのON・OFFをワークの投入タイミングと連動させることで、オペレーターの判断に依存しない安定した運用が可能になります。電力消費は生産量に正比例し「生産していない時間に電気を使わない」加熱工程を実現可能です。
生産前の暖気運転は、多くの生産現場で当たり前とされており、改善の対象となっていないケースが多くあります。今回の記事で紹介したQUTクイックウルトラサーモを使用した加熱炉を導入すれば、始業前の暖気運転によるエネルギーロスを解消できる可能性があります。
QUTクイックウルトラサーモによって時短できたその他のケースについては、以下の資料で確認可能です。無料でダウンロードできますので、この機会にぜひご覧ください。