
「真空成形の加熱工程を見直したい...!」とお考えではありませんか?
真空成形のライン能力や品質は加熱工程で決まると言っても過言ではありません。成形前加熱の時間、電力、加熱ムラは生産性とコストに直結し、ちょっとした設定の違いが不良率にも影響します。
本記事では、真空成形ラインのコスト構造を整理しつつ、加熱工程を改善することで投資対効果を最大化する考え方を解説します。
急昇温で省エネ性能が高い遠赤外線ヒーター『QUT』についても詳しく紹介していますので、真空成形の加熱工程を見直したい方は必見です。
真空成形では、シート加熱 → 成形 → 冷却 → トリミングと工程が続きますが、タクト時間を占め、ライン能力のボトルネックになるのが加熱工程です。厚物成形や大型ワークでは昇温に時間がかかり、生産能力は加熱の速度で上限が決まります。
加熱工程の電力消費は全工程の中でも突出して大きく、ヒーターが常時ONのまま運転される設備ではランニングコストが高額になりがちです。加熱ムラによる白化や肉厚ムラなどの成形不良は歩留まりを低下させ、材料ロスや手直し工数、設備停止などの隠れコストを生みます。
オペレーターが温度調整やブロックごとの出力補正を手作業で行う現場も少なくなく、属人化・調整工数の増大といった人的コストも課題です。 総じて、真空成形ラインのコスト構造の中心には「加熱」が存在していると言えます。
加熱工程は、改善の効果がそのまま設備投資の回収スピードに影響するのが特徴です。
立ち上がりが遅いヒーターは、待機時間中も常時ONにしておく必要があり、大量の電力を消費します。一方、立ち上がりが速いヒーターや加熱制御を導入すれば、必要時のみ通電することで大幅な省エネが可能です。加熱工程の電力は年間数十〜数百万円規模になるため、削減効果は非常に大きくなります。
また加熱ムラや過熱による白化・変色は、ヒーター性能と制御で改善可能です。不良率を1〜2%改善するだけでも、年間で数十万円〜数百万円の材料や人件費削減につながります。
さらに温度プロファイルを自動で再現できれば、オペレーターの調整作業は大幅に減り、属人化の解消や教育コスト削減にも寄与します。
加熱工程を改善する効果は、ライン全体に波及するため、投資対効果を最大化したい企業ほど最優先で取り組むべき領域です。
TPR商事が提供する「QUTヒーター」は、急昇温することによる省エネ性能が特徴の遠赤外線ヒーターです。真空成形ラインの課題を直接的に改善します。以下がQUTヒーターの大まかな特徴です。
| QUTヒーターの特徴 | 内容 |
| 昇温時間が約20秒 | 立ち上がりが非常に早く、必要時のみONにしてすぐに規定温度へ到達する。従来ヒーターと比較して昇温の待ち時間が短縮され、常時ONにする必要がない。 |
| 加熱ムラの大幅低減 | 遠赤外線の高い浸透性と均一な放射特性により、シート全体を均一に加熱可能。肉厚ムラ・白化・部分的変形を抑制し、歩留まりが向上する。 |
| 省エネ(必要時のみON) | 急昇温性能により「必要なときだけON」が可能で、無駄な電力消費を削減。稼働率が高いラインほど、省エネ効果が大きく、投資回収を短期間で実現。 |
| 急昇温・急降温で安全性向上 | ヒーター自体の熱容量が小さく、すぐに降温する。火災リスク低減やメンテナンス性向上につながる。 |
上記の特徴により、従来の棒状ヒーターやセラミックヒーターから熱源を置き換えることによって、高い投資対効果が得られる可能性があります。
TPR商事は、単なるヒーターの販売だけではなく、お客様の課題に合わせて成形品質を安定させるお手伝いをしております。
真空成形において、熱源の変更は影響が大きいため、まずは実際のシート材で加熱テストを行います。温度上昇カーブやムラの傾向を可視化することで、最適な加熱時間や出力バランスの確認が可能です。
TPR商事では、ヒーター単体だけではなく、パネルヒーターでのご提案も可能です。制御区分や放射温度計の設置など、打ち合わせの上で概略図を提出いたします。
加熱テストと生産現場では、諸条件が変わってくるため、導入後は実ワークで条件出しを行い、現場での立ち上げ支援も可能です。
即熱式遠赤外線ヒーターQUTは、食品トレーや自動車内装部品の真空成形での採用例が増えています。
食品トレーは、薄肉PPシートが使用されることが多い工程です。品種が多く、段取り替えの発生頻度が多い工程ですが、従来のヒーターでは変更時にOFFすることができずに、多大な電力消費が課題でした。QUTヒーターを採用して、必要時にのみヒーターをONにする制御に変更したところ、年間の消費電力を約30%低減できた事例もあります。
自動車内装部品では、大型ABSシートの加熱に課題を抱えている先が多くあります。昇温時間の長さと肉厚ムラが品質安定の障害になっていましたが、QUTヒーターへの更新後は材料の昇温が速くなり、均熱性向上により表面外観不良が大幅に減少した事例です。
| QUT50 | QUT60 | QUT81 | |
| 定格電圧(V) | 35V | 50V | 50V |
| 消費電力(kW) | 0.60 | 0.69 | 0.59 |
| 電流(A) | 17.1 | 13.8 | 11.8 |
| ケース寸法(mm) | 124×124 | ||
| 質量(g) | 360 | 370 | 250 |
| ケース材質 | セラミック | セラミック | ステンレス |
上の表はQUTヒーター3種類を簡単に比較した表です。いずれも真空成形機への採用実績があり、加熱する樹脂との相性や温度制御のブロックに合わせて選定されます。どのQUTヒーターを採用するべきかお困りの方は、お気軽にTPR商事までお問い合わせください。
QUTシリーズそれぞれの詳細については、以下の記事で解説しています。
真空成形ラインの生産性、品質やコストは、加熱工程に大きく左右されます。加熱時間、電力消費、不良率、オペレーター工数といった主要コストの多くはヒーター性能と制御によって改善可能です。TPR商事のQUTヒーターは、真空成形の加熱工程を改善できる可能性がある投資対効果の高い熱源です。
もし真空成形の加熱工程を見直したいというお客様がいらっしゃれば、まずはお気軽に以下のボタンからお問い合わせください。加熱テストの実施や最適なQUTヒーターのご提案まで幅広くサポートいたします。