
「真空成形機の予備加熱でのムダを無くしたい...。」とお困りではありませんか?
樹脂を加熱して柔らかくして成形する真空成形では、遠赤外線ヒーターによる予備加熱が必須ですが、この工程にムダを感じていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。
本記事では、真空成形の予備加熱で起こるムダについて解説しています。課題解決につながる熱源であるQUT81についても紹介していますので、真空成形の予備加熱工程を改善したい方は必見です。

真空成形では、樹脂シートを加熱して柔らかくし、金型に密着させて形状を成形します。このとき、シートの温度が均一でないと、成形後の厚みや表面品質にムラが出るので注意が必要です。予備加熱工程では、次のようなムダが問題になるケースが多く見られます。
| 予備加熱のムダ | 発生する問題 |
| ヒーターの立ち上がりが遅い | 所定温度までの昇温に時間がかかり、成形開始が遅れる |
| 温度ムラがある | 成形ムラが起こりやすく、歩留まりが悪化 |
| 不要な電力消費 | 常時通電状態を維持することで、電力コストが増大 |
| ヒーターの寿命が短い | 頻繁な交換作業や停止時間が発生する |
これらの課題を解決するには、「均一な加熱」「高速昇温」「長寿命」の3点を満たすヒーターが必要です。
QUT81は、TPR商事が開発した遠赤外線セラミックヒーターです。発熱体である鉄クロムに独自のセラミック溶射を施し、高放射率・高効率・長寿命を実現しています。
プラズマ溶射によって金発熱体とセラミック層で一体化しているため、発熱効率が高く、熱応答性にも優れたヒーターです。セラミック層が発熱体を保護することで、酸化や剥離に強く、長寿命を実現しました。
詳細は以下の商品ページでご確認ください。

遠赤外線ヒーターQUT81は、以下の特徴で真空成形の予備加熱に貢献します。
それぞれの特徴を掘り下げて確認していきましょう。
QUT81の最大の特徴は、通電から約15秒で昇温できる立ち上がりの速さです。
真空成形の予備加熱時に長時間通電する必要がなく、成形開始直前の短時間通電でも十分な温度に到達します。これにより、待機時の電力ロスを大幅に削減可能です。
QUT81を予備加熱の熱源として採用すれば、必要なときにだけ通電する制御ができるため、ムダなエネルギーが発生しにくくなります。電力コストの削減だけでなく、環境負荷の低減にもつながる熱源です。
QUT81は、発熱体の表面に特殊セラミックを溶射している点が特徴です。
他の遠赤外線ヒーターでは、発熱体とセラミックの膨張差や熱疲労によって表面層が剥離する場合があります。QUT81ではセラミックと金属発熱体をプラズマ溶射で一体化させた構造により、高温下でも剥離が発生しにくく、安定した放射特性を長期間維持可能です。
表面温度の均一性が保たれ、真空成形のような温度管理がシビアな工程でも、安定した加熱性能を発揮します。
QUT81は、プラズマ溶射によるセラミック溶射で剝離レスなのに加えて、通電時の突入電流がないため、長寿命を実現したヒーターです。
ヒーター断線による頻繁な交換が不要なので、ダウンタイムを最小限に抑えられます。約250gと軽量なので取付や交換が容易なため、現場での保全作業もスムーズです。
従来の熱源に比べてメンテナンス頻度を減らせることは、設備稼働率の向上と同時に、トータルコスト削減にも直結します。

真空成形機の熱源として数多く採用されているのが、セラミックヒーターです。一般的なセラミックヒーターは、樹脂との相性が良く、効率の良く加熱できる一方で、目標温度までの昇温スピードが遅く、待機中も常時通電しておく必要がありました。
QUT81は、表面温度600℃まで約15秒で昇温します。そのため、予備加熱の直前に通電すれば良く、待機中はヒーターを切る制御が可能です。
セラミックヒーターからQUT81に置き換えることで、待機中の通電が不要となり、生産性を下げずに消費電力を30%以上改善できた例もあります。
真空成形における予備加熱工程では、熱源にムラのない安定した加熱と、省エネと長寿命の両立が求められます。QUT81は高速な立ち上がりで省エネを実現し、高効率の遠赤外線加熱で真空成形の品質を向上できる可能性がある熱源です。
現在の真空成形の熱源にお悩みがある方は、お気軽に下記のボタンよりTPR商事にお問い合わせください。デモ機による加熱テストの実施も可能です。