お役立ち情報

真空成形には欠かせない
「真空前の樹脂加熱」と遠赤ヒーターについて解説

2022.09.29

樹脂の成形には様々な方法がありますが、今回は「真空成形の樹脂加熱」について解説していきます。

その中で、遠赤ヒーターを活用することのメリットも詳しく紹介しますので、是非、最後までご覧ください。

真空成形とは?


真空成形は「プラスチックの成形方法の1つ」です。

この成形法は、プラスチック成型の中で「最も手軽に利用することができる」成形方法です。

真空成形は「プレート状、カバー状」の構造物を製作するのに最適な製法として知られています。

代表的な例でいうと、「卵のパック」や「自動車のダッシュボード」「証明カバー」などがあります。

成型方法については、※1 熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックを使用し、薄板を加熱して柔らかくした後、金型を瞬時に真空状態にして、「プラスチックを金型に密着」させて成形する方法が一般的です。


※1 熱可塑性プラスチック…温度が高くなると融解(可塑化)し、温度を低くすると固まり個体となる。
               この性質は何度でも繰り返すことができる。
                      身近なもので例えると(チョコレート)のような性質をもつ素材。



真空成形前の“樹脂の加熱”とは?

真空成形で使用する熱可塑性プラスチックは、成形するにあたり樹脂を柔らかく(軟化)させる」ため、プラスチックの温度を上げる必要があります。

ですので、真空成形では加工直前に「プラスチックの温度を上げ、柔らかくさせる」加熱工程があります。

仮に、プラスチックの温度を上げないまま成形をしてしまうと、「柔らかくなっていない状態」のため成形することが出来ず、「加工不良」になります。

また逆に、温度を上げ過ぎてしまっても、プラスチックが溶けてしまい、こちらも「加工不良」や「品質に支障が出る」可能性があります。

つまりは、熱可塑性プラスチックを真空成形する場合には、そのプラスチック(原料となる物質)の融点を把握し「いかに最適な温度で加熱ができるか」がポイントとなってきます。

遠赤外線ヒーターを活用した“樹脂の加熱”について

実際に、樹脂の加熱工程を「遠赤外線ヒーター」に切り替えるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

その前に、お伝えしておきたいことがあります。

それは、樹脂は遠赤外線と非常に相性が良いということです。

つまり、プラスチック(樹脂)という物質は、「遠赤外線を非常に良く吸収する」性質をもっているため、効率よく加熱することが可能となるのです。

遠赤外線についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

遠赤外線の特徴とは?遠赤加熱に「向いている物質」「不向きな物質」を詳しく解説

それでは、遠赤外線加熱で得られるメリットを解説していきます。

① 時間短縮
上記でも述べましたが、遠赤外線と樹脂は非常に相性がよく、効率的に加熱することができます。
その結果、加熱時間の大幅短縮が期待できます。
※過去の納入事例には「60秒 ⇒ 20秒」まで短縮できた実績もあります。

② 省エネ
遠赤外線ヒーターの (ON/OFF)が自在に可能なため、必要なときに出力ができます。
立ち上がりのレスポンスも早いため、あらかじめ“ON”にしておかなくても大丈夫です。
必要最低限の電力で加熱が可能となり、省エネにも貢献します。

③ 制度の高い温度管理、均一加熱を実現
ヒーターに温度センサーを内蔵することで、プラスチック事態の温度管理ができ、制度の高い温度管理が可能となります。

また遠赤外線は、「外気の影響を受けにくい」ため、外的な要因での温度ムラがでることを軽減できます。

よって「均一加熱が可能」となり、品質安定の向上につながります。

実際に過去にあった弊社での納入事例を紹介しています。
詳しく見てみたい方はこちらを参照してみてください。

成型前樹脂加熱(納入事例)

真空成形前の“樹脂の加熱”とは?

これまで真空加熱における「成型前の樹脂加熱について」、「遠赤外線を活用した樹脂加熱のメリット」をお話しさせてもらいました。

その中で、真空成形の加熱を遠赤外線に切り替えたい場合に、弊社でおすすめしたい最適な製品が遠赤外線QUTヒーターです。

こちらは弊社の主力製品」でもあります。

QUTは(クイックウルトラサーモ)という名称ですが、その名の通りこの商品の大きな特徴は「圧倒的な昇温能力」です。

QUTヒーターにはいくつかの種類がありますが、その中には瞬速15秒で500℃以上まで温度を上げることができる仕様もあり、「作業サイクルの大幅短縮」「生産性の向上」に貢献します。

そして、追加で温度センサーを搭載できますので、高精度な温度コントロールが可能となり、セット内の温度を自由に制御可能、安定した品質管理が実現できます。

このQUTヒーターですが、「自由自在に組み合わせることも可能」です。

1枚単体で使用することもできますし、「2枚、4枚」とつなぎ合わせられるので、用途に合った仕様でご使用いただけます。

【参考画像】

製品情報をもっと見たい方は、こちらをご確認ください。

QUTヒーター(QUT60)

お気軽にご相談ください

弊社では、お客様の用途に合わせて最適な製品をご提案させていただいております。

「デモ機の貸出し」や「事前テスト」を含め、トータルでサポートしております。

ご不明点や、ご相談がございましたら下記の「お問い合わせ」よりお気軽にご相談ください。


お問い合わせはこちら