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省スペース・高性能の卓上加熱炉とは?実験・開発現場で求められる条件と製品活用例

2025.06.16
卓上加熱炉のサムネイル画像

「バッチ式の加熱炉を開発で使っているけれど、条件出しが大変…。」とお困りではありませんか?

TPR商事の卓上加熱炉であれば、場所を取らないコンパクトな設計でありながら、頻繫な温度条件の変更にも対応できる遠赤外線ヒーターによる3つの温度調節ゾーンがあるため、開発現場や試作ラインでの使用に最適です

本記事では卓上加熱炉について概要をわかりやすく解説しています。小型で高性能な加熱炉をお探しの方は必見です。

こんなお悩みありませんか?

開発現場や試作ラインでは以下の課題を抱える企業様が多くいらっしゃいます。

  • ・装置を設置するスペースが狭い
  • ・周囲に熱が漏れる設備は使用できない
  • ・小まめに温度条件を変更して、より良い製品を作りたい
  • ・バッチ処理だと条件の管理が大変
  • ・加熱炉を導入する予算が少ない

量産製品につなげるための重要な役割を担っている開発現場や試作ラインですが、加熱工程がネックになっていることが少なくありません。

簡易なホットプレートや熱風のバッチ炉で対応している企業様もいらっしゃいますが、量産時の設備展開が難しく、加熱工程のみ開発が遅れてしまうこともあります。

TPRの卓上加熱炉は、上記のお悩みを持つお客様にとって最適の1台となり得る設備です。

卓上加熱炉とは?省スペース・高性能の両立を実現する装置

卓上加熱炉の寸法画像

卓上加熱炉とは、その名のとおりテーブルに載せられるほどコンパクトな全長1,000mm×幅525mmの加熱炉です。最高温度500℃まで約15秒で昇温するクイックレスポンスの遠赤外線ヒーター『QUT60』を熱源として採用しています。熱風式の場合、周囲に熱が漏れる可能性が高いですが、卓上加熱炉は遠赤外線による放射加熱を採用しているため、熱漏れを最小限に防げます。

電源は三相200V 30Aであり、エアーなど電気以外のユーティリティーは必要ありません。操作は運転・停止ボタンと、ヒーターの温度調節器・コンベアのスピードコントローラーの設定のみなので、使用する人の熟練度に左右されずにいつでも条件の再現が可能です。

使用方法は以下の動画で簡単に紹介していますので、ぜひご覧ください。

どんなシーンで選ばれているのか?

卓上加熱炉は新製品の開発現場や試作ライン、大学の研究室、少量の生産ラインまで幅広くご採用いただいております。遠赤外線ヒーターによる放射加熱方式のため、以下のようなシーンで効果を発揮します。

  • ・ポッティング剤など樹脂の硬化
  • ・樹脂のアニール処理
  • ・接着剤の乾燥
  • ・塗料の乾燥
  • ・コーティングの乾燥
  • ・小型電子部品の熱負荷試験

遠赤外線は樹脂との相性が良く、従来の熱風加熱より効率よくワークを加熱できるため、工程の時短につながる可能性があります。しかし、いきなり量産ラインへ応用するのはハードルが高いため、卓上加熱炉で繰り返しのテストを行い、裏付けとなるデータを集めるのが一般的です。

TPR商事の卓上加熱炉が選ばれる理由 

卓上加熱炉による温度プロファイル

TPR商事の卓上加熱炉は、以下の理由で多くの企業様から選ばれています。

  • ・コンパクトで場所を選ばずに設置できる
  • ・QUTヒーターによる遠赤外線加熱で効率よく加熱できる
  • ・温度調節区分が3ゾーンあり、温度プロファイルの勾配をつけられる(上図参照)
  • ・素早い昇温と降温ができるため、頻繁に温度条件が変更できる
  • ・下部ヒータでワークの下部からもアシストで加熱できる(オプション)
  • ・コンベア方式で自動で加熱処理できる
  • ・卓上加熱炉をベースに量産設備を検討できる
  • ・比較的安価で導入できる

場所を選ばないコンパクトな加熱炉といえば、バッチ式の熱風炉が一般的です。バッチ式の熱風炉は、ワークの出し入れを人の手で行う必要があるため、常に作業者が必要であり、加熱時間の厳密な管理が難しいというデメリットがあります。

TPR商事の卓上加熱炉は人手が不要なコンベア式でありながら、全長1,000mm×幅525mmと非常にコンパクトなサイズを実現しております。さらに温度調節区分が3ゾーンあるので、温度プロファイルの勾配をつけた調整など、細かい温度管理が可能です。

実際のユーザーの声・導入事例 

ある電池メーカーの開発現場では、電極に塗布した材料を乾燥させるためにホットプレートを使用していました。ワークの昇温に関しては満足されていましたが、ワークを一つ一つ置いて処理する必要があり、作業者が付きっきりで対応している状況でした。

作業効率の改善を目的に弊社までお問い合わせをいただき、TPR商事が提案したのがデモ機による効果確認です。実際に現場までデモ機を持参して処理していただいたところ、ホットプレートと同等以上の昇温時間が確保でき、コンベア方式の搬送で、いつでも同じ条件の加熱ができるようになりました

■実際に導入いただいたユーザー様の声

「コンパクトで使い勝手が良く、ヒーターの昇温・降温が速いので、繰り返し条件出しを行う開発に適した装置です。価格も手ごろだったので、導入に向けて前向きに話を進められました。現在は乾燥以外の工程でも使用しており、開発現場で重宝しています。」

仕様・スペック一覧

名称卓上加熱炉樹脂効果炉
型式STH-08QSTH-14QSFP-03L
外形寸法L1,000×W525×H530mmL1600×W775×H1,140mm
ヒーターQUT60×8枚QUT60×8枚下火ヒーター×6本UT×3枚
電源三相AC200V 30A 50/60Hz三相AC200V 20A 50/60Hz
定格消費電力5.52kW6.64kW6.0kW
質量約83kg約85kg約314kg
搬送方法SUSメッシュネットコンベア搬送
搬送速度35~300mm/min

上はTPR商事の標準加熱炉である卓上加熱炉と樹脂効果炉を比較した表です。樹脂効果炉と比較して、卓上加熱炉はサイズ・質量がコンパクトに設計されています。また即昇温・降温するQUT60ヒーターを採用しているため、頻繁に温度条件を変更する場面での使用におすすめです。

卓上加熱炉はコンベア下部にある下火ヒーターの有無によって、型式が2つあります。下火ヒーターは金属製の治具を下部から加熱したい場合などのサポートに有効です。TPR商事でご用意できるデモ機は下火ヒーターがあるSTH-14Qですので、まずは試験によって効果を確認いただき、下火ヒーターの要・不要をご確認ください。

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卓上加熱炉はコンベアでの搬送方式でありながら、非常にコンパクトなサイズが特徴です。即昇温・降温するTPR独自のQUTヒーターを採用しており、使いたい時にすぐに使えて、条件変更が多い現場で活躍しています

卓上加熱炉が気になる方は、TPR商事まで技術的なご質問からデモ機の貸し出しまでお気軽にお問い合わせください。専門のスタッフがお客様のご不安を解消できるように責任を持って対応いたします。