
「熱風加熱炉を使用しているけれど、もっと良い加熱炉はないの?」とお考えではありませんか?
加熱工程で広く使われている熱風加熱炉ですが、近年は「昇温に時間がかかる」「待機電力が大きい」「品質が安定しない」といった理由から、見直しを検討する現場が増えています。
本記事では、熱風加熱の課題を整理するとともに、遠赤外線卓上加熱炉へ切り替えるべき技術的な理由を分かりやすく解説します。
多くの工場で使われている熱風加熱炉は、汎用性が高い一方で、生産効率の面ではボトルネックになりやすい設備でもあります。
熱風加熱炉による代表的な課題は次のとおりです。
特に試作の条件出しや評価工程では、「すぐ加熱したい」「条件をすぐに変更したい」という要求が多く、熱風方式の応答の遅さがロスにつながります。
それでは熱風式の加熱は、なぜ時間がかかるのでしょうか?両者の違いは、熱の伝え方(伝熱メカニズム)にあります。
それぞれを簡単に確認していきましょう。

熱風加熱は、まず空気を加熱して、その熱をワーク表面に伝え、そこから内部へ熱を伝導させる方式です。
空気は熱容量が小さいため、大きなエネルギーを投入してもワークへの熱移動効率はそれほど高くありません。そのため、昇温時間が長くなりやすいのが特徴です。

遠赤外線加熱は、ヒーターから放射される赤外線エネルギーをワークが直接吸収して温度を上昇させる方式です。
遠赤外線加熱は「内部から発熱する」と表現されることがありますが、正確には赤外線が材料表面で効率良く吸収されて、その部分で熱に変換されるという仕組みです。結果として内部まで熱が伝わりやすく、ワークの昇温スピードも向上します。
熱風加熱炉から遠赤外線加熱炉に切り替えるべき3つの理由は以下のとおりです。
それぞれを掘り下げて確認していきましょう。
遠赤外線加熱は、ヒーターから放射されるエネルギーをワークが直接吸収して温度が上がるため、空気を介して温める熱風方式に比べてワークの昇温スピードが非常に速いのが特徴です。
熱風加熱炉のように炉内全体を温める必要がないため、待機時間が短く、効率よくワークを加熱できます。
その結果、これまで数十分かかっていた乾燥や硬化が数分で完了するケースもあります。試作や条件出しのサイクルが短縮され、開発スピードと設備の回転率を同時に高められる可能性がある設備です。
卓上加熱炉に採用されている遠赤外線ヒーターは熱応答性が高く、短時間で昇温・降温ができるため、長時間の予熱運転や温度保持が前提の運用から脱却できます。必要なタイミングだけ通電して加熱する運用が可能になり、待機中の電力ロスを抑えられるのが特徴です。
使用頻度が断続的な試験設備では、この差が年間の電力コストに大きく影響します。設備を常に加熱した状態にするのではなく、使う分だけエネルギーを投入する考え方へ切り替えることで、現実的な省エネ対策を実現可能です。
遠赤外線加熱は、材料の種類や表面状態に応じてエネルギーが吸収されるため、適切な条件設定を行うことで効率よく再現性が高い加熱が可能です。熱風方式で起こりやすい表面だけの過加熱や、内部が十分に温まらない状態を抑えやすくなります。
その結果、樹脂やポッティング材の未硬化、溶剤の抜け不良による気泡、加熱ムラによる物性ばらつきのリスク低減にもつながる設備です。品質の安定化は、手直しの削減にもつながり、ムダなコスト圧縮にも直結します。
熱風加熱炉は、過去から数多くの現場で愛用されてきた設備ですが、時代の変化と共に遠赤外線加熱炉に切り替えるユーザーが増えています。特に短時間での処理や省エネが求められる現場では、遠赤外線卓上加熱炉は有効な選択肢の1つです。
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