
「作業環境を改善したいが、すでに生産設備が入っていて空調機を置く場所がない...」とお困りではありませんか?
新築時とは異なり、既存工場への空調増設では、生産設備や通路、電源、配管スペースなどを考慮しながら設置方法を検討することが大切です。工場では、一般的なオフィスや店舗のように「空いている場所に室内機を設置する」という考え方だけでは、適切な空調計画を立てることが難しい場合があります。
本記事では、稼働中の工場に空調を後付けするときに確認しておきたいポイントや、限られたスペースを有効活用する設置方法について解説します。
既存工場への空調増設が難しい理由の一つは、すでに工場内のレイアウトが決まっていることです。
工場では、生産設備や搬送設備、作業台などがすでに設置されており、空調を追加するために設備を移動させるとなると、生産への影響が大きくなります。基本的には現在のレイアウトを維持したまま、空調設備を追加する方法が必要です。
また工場では、作業者が移動するための通路だけでなく、フォークリフトや台車などの搬送経路も確保しなければなりません。床置き型の空調機を設置すると、必要な通路幅や作業スペースを圧迫する可能性があります。
空調設備を設置する場合、機器本体だけでなく、冷媒配管やダクト、電源配線などの経路も必要です。既存工場の電源容量によっては、空調設備を増設することで電力容量が不足する可能性もあります。
稼働中の工場に空調を後付けする場合は、設備を選ぶ前に現場の条件を確認しましょう。
まず確認するのが工場の図面です。建物の寸法や天井高さ、柱・梁の位置、生産設備の配置などを把握することで、空調設備をどこに設置できるか検討しやすくなります。
次に確認するのが、実際に空調したい作業範囲です。工場全体を空調する必要があるのか、それとも特定の作業エリアだけを快適にしたいのかによって、適した設備や設置方法は変わります。
工場内にある熱源も必ず確認しましょう。溶解炉、加熱炉、乾燥設備、成形機など、工場内に大きな発熱源がある場合、工場全体を一律に冷やすよりも、熱源周辺の対策と作業者がいるエリアの空調を組み合わせたほうが効率的なケースがあります。
将来的に生産設備の増設やレイアウト変更を予定している場合は、その計画も含めて空調設備の設置位置を検討しておくと、後から設備を移設する手間を減らせます。
既存工場で空調を後付けする際は、床面積をできるだけ使わない設置方法も選択肢になります。例えば、壁面や柱、梁、天井などを活用する方法です。
工場の床は、生産設備や搬送機器、作業者の動線などに使われるため、できるだけ空けておきたい場所です。一方、壁や柱、梁の上部、天井付近には、空調設備を設置できるスペースが残っている場合があります。
また、建物内の「デッドスペース」を活用する方法も検討しましょう。例えば、設備上部や壁面上部など、通常は使用していないスペースを空調設備の設置場所として利用できれば、既存の生産スペースを大きく変更せずに空調を増設できる可能性があります。
ただし、重量物である空調設備を設置する場合は、建物や架台の強度確認が必要です。「空いているから置ける」とは限らないため、実際の設置可否については現地調査を行う必要があります。
既存工場への空調後付けでは、室内に大きな機械を置かない方法もあります。
例えば、TPR商事が取り扱う日本キヤリアの「シングルエース™」は、屋根上や建物内のデッドスペースなどを活用して設置できる空調設備です。室内機がないタイプの空調機器のため、工場内の貴重な床面積を生産設備や作業スペースとして活用できます。
設備が密集しており、床置き型の空調設備を設置するスペースを確保しにくい工場では、こうした「設備をどこに置くか」から逆算した空調計画が有効です。
後付け空調では、空調能力だけを比較するのではなく、「どこに設備を置くのか」「工事後も工場をどう使うのか」まで含めて設備を選びましょう。
シングルエースの詳細は、以下の商品ページをご確認ください。(※シングルエース™は、日本キヤリア株式会社の商標です。)
工場の空調では、必ずしも建物全体を均一な温度にする必要はありません。
作業者が一部のエリアに集中している場合は、スポット空調によって必要な場所を重点的に冷やす方法があります。一方、複数の作業エリアをまとめて空調したい場合や、一定の範囲を継続的に温度管理したい場合には、より広い範囲をカバーできる空調設備が適しています。
重要なのは、「工場全体を冷やすのか」「人がいる場所を冷やすのか」を明確にすることです。高温になる設備周辺だけを重点的に対策するのか、作業者が長時間滞在するエリア全体を空調するのかによって、設備構成は大きく変わります。
空調の後付けを成功させるためには、事前の現地調査が欠かせません。主な確認項目は以下のとおりです。
特に稼働中の工場では、問題なく工事ができるかどうかも確認する必要があります。クレーンやフォークリフトを使用する場所であれば、工事期間中の安全確保や搬入経路についても検討が必要です。
生産を止められない工場では、休日や夜間など、工場の稼働に影響しにくい時間帯に工事できるかどうかも事前に確認しておきましょう。

既存工場への空調後付けを検討する場合、一般的には上の画像のような流れで進めます。
まずは、空調したい場所や現在のお困りごとをお聞かせください。「工場が暑い」「特定の作業エリアだけ温度を下げたい」「空調を増設したいが設置場所がない」といったご相談でも構いません。
その後、実際に工場を確認し、建物の構造や設備配置、熱源、作業範囲などを確認し、空調方式や設備の設置場所、必要な能力などを検討し、御見積書を提出します。
ご注文後は、工場の稼働状況を考慮しながら施工日を決定させていただき、必要な安全対策を行ったうえで施工いたします。
稼働中の工場に空調を後付けする場合、単純に空調設備を追加するだけではなく、「どこに設置するか」「どうやって工事するか」「既存の生産活動にどう影響させないか」まで考える必要があります。
TPR商事は、工場の環境や設備配置を確認したうえで、空調設備の選定から設置方法までトータルでご提案が可能です。既存工場への空調増設や、暑熱対策をご検討の際は、お気軽にご相談ください。