
工場では、製造工程から発生する熱や臭気、粉じんなどを排出するために、十分な換気が必要です。一方で、換気のために外気を大量に取り込むと、夏は高温多湿な空気、冬は冷たい空気が工場内に入り込みます。
そこで検討したいのが、外気を取り込みながら、温度や湿度を調整してから室内へ供給する「外気処理空調」です。
本記事では、外気処理空調の基本的な仕組みや一般的な空調との違い、工場で導入する際のチェックポイントについて解説します。
外気処理空調とは、屋外から取り込んだ空気を空調機で温度や湿度などを調整してから、工場内へ供給する空調方式です。
まずは上記3点を整理していきましょう。
一般的な空調設備は、室内の空気を循環させながら温度を調整する「循環空調」が基本です。室内温度が高くなった場合、室内の暖かい空気を空調機に戻し、冷却したうえで再び室内へ送ります。
一方、外気処理空調は、屋外から取り込んだ外気を空調機で処理し、温度や湿度などを調整したうえで室内へ供給する方式です。
つまり、一般的な空調が「室内の空気を循環させて温度を調整する」のに対し、外気処理空調は「外から取り込む空気を処理して室内へ供給する」ことが大きな違いとなります。
換気設備は、室内の空気を外へ排出したり、外気を室内へ取り込んだりすることで、空気を入れ替えるための設備であり、取り込んだ外気の温度は調整できません。外気温が35℃の夏場に大量の外気を取り込めば、そのままでは工場内に暑い空気が流入します。
外気処理空調では、換気と同時に外気を冷却・加熱することで、外気導入による室内環境への影響を抑えることが可能です。
外気をそのまま取り込む方式では、季節によって工場内の温度や湿度が大きく変化する可能性があります。特に夏場は、高温に加えて湿度の高い空気が流入するため、室温だけでなく湿度の上昇にも注意が必要です。
冬場も同様に、冷たい外気が大量に入ることで、室温が低下しやすくなります。つまり、換気量を確保するほど、空調への負担が大きくなるという問題が発生します。
工場では、製造工程で発生する熱や油煙、臭気、粉じんなどを排出するため、オフィスや店舗よりも大量の換気が必要です。製造工程によっては室内の空気をそのまま循環させることが難しく、外気を取り入れて空気を入れ替えなければならないケースもあります。
しかし、外気をそのまま取り込むと、空調による温度管理が困難です。特に夏場は高温多湿な外気が大量に流入することで、工場内の温度や湿度が上昇し、作業環境の悪化につながる可能性があります。一方、冬場は冷たい外気が流入することで、室温を維持するための暖房負荷が増加します。
このように工場では、必要な換気量を確保しながら、外気による室温や湿度への影響を抑えることが大切です。そのため、外気を取り込む際に温度や湿度を調整する「外気処理空調」が選択肢となります。
工場の環境改善では、換気設備と空調設備を別々に検討することがあります。しかし、換気によって取り込まれる外気は、工場内の温度や湿度に大きく影響するため、それぞれを個別に考えるだけでは、十分な効果を得られません。
例えば、湿度の高い外気が工場内に入り込むことで、温度条件によっては結露が発生する可能性があります。こうした温度や湿度の変化は、製品の品質だけでなく、作業者の暑さ・寒さなど作業環境にも影響する要素です。
工場の空調計画では、「どれだけ外気を取り込み、どのように温度や湿度を調整し、どこへ供給するのか」まで含めて検討することが大切です。換気と空調を一体的に考えることで、必要な換気量を確保しながら、室内環境を安定させやすくなります。
外気処理空調は、次のような工場・現場で特に検討しやすい設備です。
製造工程で大量の熱が発生する工場では、排気量が大きくなるケースがあります。このような現場では、排気によって失われる空気を外から補給することが必要です。
外気処理空調を組み合わせることで、必要な換気量を確保しながら、外気による温度変化を抑えることが可能になります。
外気処理空調を導入するときは、単純に「冷房能力が大きい機種」を選ぶのではなく、工場の使用条件を整理することが重要です。選定の際は、以下を必ずチェックしましょう。
これらの条件によって必要となる空調能力や外気処理の方法は異なります。特に工場では、換気量だけでなく、季節ごとの外気条件や設備から発生する熱、設置スペースなどを総合的に考えることが大切です。自社の工場環境や換気条件に適した仕様を選定し、必要な換気と温度管理を両立できる設備を検討しましょう。
TPR商事では、工場の換気と空調を考える際の選択肢として、外気処理仕様に対応した日本キヤリアの「シングルエース™」をご案内しています。
シングルエースには、新鮮な外気を取り込み、外気を処理して室内へ供給する外気処理仕様があります。室内空気を循環させることが難しい工場や、大量の換気が必要な現場では、外気処理空調の選択肢として検討しましょう。
換気設備を稼働させると室温が上がってしまう、夏場の外気導入による暑さが問題になっている、空調と換気をどのように組み合わせればよいかわからない、といった場合は、外気処理を含めた空調計画を検討してみてはいかがでしょうか。
シングルエースの詳細は、以下の商品ページをご確認ください。(※シングルエース™は、日本キヤリア株式会社の商標です。)
外気処理空調は、外気を取り込みながら、温度や湿度を調整して室内へ供給することで、換気と空調を両立しやすくする設備です。
導入を検討する際は、必要換気量や外気条件、建屋の大きさ、稼働時間、発熱量、設置場所、メンテナンス性などを総合的に確認することが大切です。
空調計画でお困りであれば、ぜひTPR商事にお問い合わせください。現場確認をさせていただき、お客様のご要望をヒアリングしたうえで、最適な空調機器をご提案いたします。