
「空調を導入したけれど、どれくらい効果があったのかわからない!」とお困りではありませんか?
空調設備を導入すれば、必ずしも工場全体の暑さが解消されるとは限りません。建屋の広さや天井の高さ、熱源設備の位置、作業者の配置などによって、同じ工場内でも暑熱環境には大きな差が生じるためです。
そのため、暑熱対策では設備を導入することだけでなく、導入前後の環境を測定し、効果を確認することが大切です。
本記事では、工場の暑熱対策設備を導入した後に、空調効果をどのように測定・評価すればよいのかを解説します。
暑熱対策の効果を確認するためには、設備を導入した後だけを測定するのではなく、導入前の環境も記録しておくことが大切です。
例えば、空調設備を導入した後に室温が35℃から32℃になったとします。3℃下がったこと自体は一つの成果ですが、導入前のデータがなければ、設備によってどの程度改善したのかを客観的に評価することはできません。また、外気温や天候、設備の稼働状況などによって測定結果は変化します。
そこで、できるだけ条件をそろえて導入前後を比較しましょう。
こうしたデータを残しておけば、「空調を導入した結果、作業環境がどのように変化したのか」を確認しやすくなります。
空調効果を確認するとき、まず確認するのが室温ですが、工場の暑熱環境は室温だけで判断することはできません。
例えば、室温が32℃でも、湿度が高ければ蒸し暑く感じますし、同じ室温でも風が適切に届いていれば、作業者が感じる暑さを軽減できる場合があります。特に工場では、加熱炉や乾燥設備、成形機などから発生する熱や、屋根から伝わる日射熱などによって、場所ごとに温熱環境が異なります。
そのため、室温だけではなく、湿度やWBGT、風速などを組み合わせて評価することが大切です。
工場の暑熱対策の効果を評価するときは、次の5つの指標を確認すると効果を把握しやすくなります。
それぞれを確認していきましょう。
最も基本となるのが室温です。
空調設備を導入する前後で室温を測定することで、空調によってどの程度温度が変化したのかを確認できます。ただし、工場内では場所によって温度差が生じるため、1か所だけを測定するのではなく、複数の作業場所で確認することが大切です。
湿度も暑さを評価する重要な指標です。
同じ室温でも、湿度が高くなると汗が蒸発しにくくなり、身体から熱を逃がしにくくなります。特に夏場の工場では、空調によって温度が下がっていても湿度が十分に下がっていないケースがありますので、室温と合わせて確認しましょう。
WBGT(暑さ指数)は、暑熱環境を評価する代表的な指標です。正式名称は Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)で、湿度・日射や周囲の熱・気温などを考慮して、「その環境がどれくらい暑く、熱中症のリスクがあるか」を評価するために用いられています。
熱中症対策を目的として空調設備を導入する場合は、室温だけでなくWBGTの変化も確認しておくと、対策の効果をより具体的に評価できます。
スポット空調など、風を利用して作業者の暑さを軽減する設備では、風速の測定も大切です。
設備が稼働していても、風が作業者のいる場所まで十分に届いていなければ、期待した効果が得られない可能性があります。「必要な場所に風が届いているか」という視点で確認しましょう。
暑熱対策では、環境改善だけでなく省エネ効果も確認しておきたいポイントです。
空調設備の導入によって作業環境が改善しても、電力使用量が大幅に増加していれば、ランニングコストの負担が大きくなる可能性があります。導入前後の消費電力量を比較することで、暑熱対策と省エネの両面から設備の評価が可能です。
工場では、同じ建屋の中でも場所によって暑さが大きく異なるため、測定場所を一つに絞らず、実際に人が作業する以下のような場所を中心に測定することが大切です。
特に熱源設備の周辺では、工場全体の平均的な室温よりも温度が高くなる傾向があります。 一方、シャッター付近では外気の影響を受けやすく、休憩場所では作業エリアとは異なる環境になっている場合があります。
こうした場所ごとの違いを把握することで、「工場全体を冷やすべきなのか」「特定のエリアを重点的に冷やすべきなのか」といった、次の対策も検討しやすくなるでしょう。
スポット空調は、工場全体を冷やすのではなく、作業者がいる場所など必要なエリアを効率的に冷却する方法です。そのため、スポット空調では特に「風が作業位置まで届いているか」を確認する必要があります。
空調設備の吹出口付近では十分な風速があっても、作業者が実際に立っている場所では風が弱くなっていることがあります。設備の設置位置や周囲の設備、柱、棚などによって気流が遮られるケースもあるでしょう。
風速を測定しながら、実際の作業位置でどの程度の風が得られているかを確認することで、吹出口の向きや設置位置を見直すこともできます。
空調設備を必要以上に稼働させれば、快適性は向上しても電力コストが増加します。そこで、導入前後の消費電力量を比較しながら、必要な場所・時間だけ空調を稼働させることを検討しましょう。
例えば、作業者が少ない時間帯は一部の設備だけを稼働させる、使用していないエリアの空調を停止するなど、運用方法を工夫することで、電力コストを削減できます。
「暑さを改善すること」と「電力を無駄に使わないこと」の両立が、暑熱対策を継続するうえでは、とても大切です。
測定によって暑熱環境の課題が見えてきたら、その結果を設備の運転方法に反映します。例えば、作業者に風が十分届いていなければ風向や風量を調整し、作業時間やエリアに合わせて稼働時間や設定温度を見直すことで、より効率的な運用が可能です。
重要なのは、設備を導入して終わりにするのではなく、「測定→評価→改善→再測定」のサイクルを継続することです。
季節や外気温、生産設備の稼働状況によって暑熱環境は変化するため、定期的に測定しながら運転方法を見直すことで、快適な作業環境と省エネの両立につなげられます。
工場の暑熱対策では、導入前後で室温や湿度、WBGT、風速、消費電力量などを測定することで、設備によってどの程度の効果が得られたのかを客観的に確認できます。
特に工場では、熱源設備や作業場所、シャッターなどの位置によって暑熱環境が大きく異なるため、工場全体の平均値だけを見るのではなく、実際の作業場所ごとに測定することが重要です。
測定したデータをもとに風向・風量・稼働時間・運転エリア・設定温度などを見直せば、暑熱環境のさらなる改善や省エネにもつなげられます。
TPR商事では、空調機器はもちろんのこと、その他の製品も含めて、トータルで工場の暑熱対策についてご提案可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。