
「粉じんが舞っている現場だけど、空調は通常の仕様で大丈夫?」とお考えではありませんか?
金属加工などで粉じんが多く発生する工場、機械からオイルミストが発生する工場、薬品などによって酸性・腐食性の雰囲気が生じる工場では、一般的なオフィスや店舗と同じ考え方で空調設備を選ぶと、フィルターの目詰まりや機器の腐食、メンテナンス頻度の増加などにつながる可能性があります。
こうした特殊な環境では、「どれだけ冷やせるか」だけでなく、「どのような空気を扱うのか」まで考えて空調設備を選ぶことが大切です。
本記事では、粉じんや酸性雰囲気の工場での空調選びについてわかりやすく解説しています。
一般的な空調は、比較的きれいな室内空気を循環させることを前提として生産されている設備です。しかし、工場内に粉じんやオイルミスト、腐食性ガスなどが存在すると、空調設備そのものが影響を受ける可能性があります。
工場では設備から発生する熱や、シャッター・搬入口の開閉による外気の流入など、一般的な建物にはない空調負荷が発生することもあります。こうした条件によっては、空調設備の能力だけでなく、フィルターの汚れや機器の腐食、メンテナンス性なども考慮しなければなりません。
そのため、特殊環境の工場では、空調能力だけでなく、設置環境や空気の状態、工場内の熱・換気条件まで含めて選定する必要があります。
工場の空調設備を選ぶときは、次のような環境要因を確認しておきましょう。
それぞれを掘り下げて確認していきます。
研削、切断、研磨、搬送などの工程では、さまざまな粉じんが発生します。空調設備が粉じんを含んだ空気を吸い込むと、フィルターへの負荷が大きくなり、目詰まりしやすくなります。
フィルターが目詰まりすると、空気の流れが悪くなり、空調性能の低下や消費電力の増加につながりかねません。また、フィルターで捕集しきれなかった粉じんが機器内部に入り込むこともあるため、粉じんの種類や発生量を確認したうえで設備を選ぶことが大切です。
切削加工などでは、切削油や潤滑油が霧状になったオイルミストが発生することがあります。オイルミストが空調機に入り込むと、フィルターや熱交換器などに付着し、性能低下や清掃負担の増加につながります。
オイルミストは、単純な粉じんとは異なり、部品の表面に付着しやすい点にも注意が必要です。空調設備を設置する場所や吸い込む空気の状態を確認し、必要に応じて専用の対策や仕様を検討しましょう。
薬品を使用する工程や表面処理工程などでは、酸性ガスなどによって腐食性のある雰囲気になる場合があります。このような環境では、空調設備の金属部品などが腐食する可能性があるため、一般的な空調設備と同じ感覚で選定するのは注意が必要です。
空調設備が腐食性物質を含んだ空気を継続的に吸い込むことで、機器の劣化が進む可能性もあります。そのため、腐食性物質の種類や発生場所などを確認し、空調設備の設置場所や材質、仕様などを検討することが大切です。
炉や加熱設備などが設置された工場では、室内温度が高くなりやすくなります。空調設備には通常より大きな冷房負荷がかかるため、設備からの発熱量や作業環境を考慮して能力を選定しましょう。
工場内のすべてを一律に冷やすのではなく、作業者がいる場所や温度管理が必要なエリアを優先して冷却する方法もありますので、設備の発熱量や作業場所を整理することが大切です。
工場では、作業環境の改善や排気設備の稼働によって、大量の空気を屋外へ排出することがあります。排気した分だけ外気を取り込む必要がある場合、外気負荷によって空調設備の負担が大きくなりがちです。
特に夏場は、高温多湿の外気を大量に取り込むことで、冷房に必要なエネルギーが増加しやすくなります。そのため、排気量と外気導入量を確認し、必要に応じて外気処理を考慮した空調設備を選定することが大切です。
粉じんが発生する工場で使用する空調設備への影響で、まず考えられるのが、フィルターの目詰まりです。
粉じんが多い環境ではフィルターに汚れが蓄積しやすくなり、空気の流れが悪くなることがあります。その結果、空調能力の低下や消費電力の増加、熱交換効率が低下しかねません。また、フィルターで捕集しきれなかった微細な粉じんが機器内部に侵入すれば、内部部品の汚れや故障の原因となります。
そのため、粉じんが多い工場では、「空調能力」だけでなく「どの程度の粉じんを含む空気を扱うのか」「フィルターの清掃や交換をどのくらいの頻度で行えるのか」まで確認することが大切です。
酸性雰囲気など、腐食性のある環境では、空調設備の能力だけでなく、設置環境や吸い込む空気の状態まで確認することが重要です。特に、次のポイントを確認しましょう。
| 項目 | 確認したいポイント |
| 空調機の設置場所 | 腐食性ガスや薬品の蒸気が発生する場所からできるだけ離し、空調機が直接吸い込まない配置を検討する |
| 吸込空気 | 室内空気を循環させる場合、粉じんやオイルミスト、腐食性物質を含んだ空気が空調機に入り続ける可能性があるか確認する |
| 外気導入 | 排気によって大量の外気を取り込む場合は、外気温や湿度だけでなく、外気に含まれる物質についても確認する |
| メンテナンス環境 | フィルター清掃や熱交換器の点検などを無理なく行えるか、メンテナンス性も確認する |
| 材質・仕様 | 腐食性物質の種類や濃度など、現場の環境条件をメーカーに伝え、使用環境に適した材質・仕様かを確認する |
このように、腐食性雰囲気の工場では、空調設備そのものだけでなく、設置場所や空気の流れまで含めて検討することが大切です。
特殊環境の工場で空調設備を選定するときは、冷房能力だけを先に決めるのではなく、現場で次のような項目を整理しておくことが重要です。
スポット空調やゾーン空調を含め、現場に適した空調方式を検討する際には、こちらのチェックリストも参考にしてください。
特殊環境の工場では、「室内の空気を冷やして循環させる」という従来の空調方法だけにこだわらないことも重要です。
例えば、工場内で発生した空気を排気しながら、外気を取り込んで空調する方式があります。この方法であれば、工場内の汚れた空気を空調機が繰り返し吸い込む必要がありません。
この方式の場合には、夏場は高温多湿の空気を、冬場は低温の空気を処理する必要があります。そのため、外気を取り込む空調では、外気負荷まで考慮した設備選定が必要です。
「室内空気を循環させるのか」「外気を取り入れるのか」「排気と給気をどのように組み合わせるのか」は、特殊環境の工場における重要な検討ポイントです。
特殊環境の工場における空調方式の一つとして検討できるのが、日本キヤリアの空冷式一体型パッケージエアコン「シングルエース™」です。
シングルエースは、室内機と室外機が一体となった空調設備で、室内側の作業を止めずに室外側からメンテナンスしやすいことが特徴です。外気処理仕様もラインナップされており、新鮮な外気を取り込み、特殊環境へも対応できます。
オイルミストや酸性雰囲気など、一般的な空調設備では設置環境への配慮が必要となる工場では、こうした特殊環境向けの空調設備も選択肢の1つです。
シングルエースの詳細は、以下の商品ページをご確認ください。(※シングルエース™は、日本キヤリア株式会社の商標です。)
粉じん、オイルミスト、酸性雰囲気、高温、大量換気などがある工場では、粉じんによるフィルターの目詰まりや熱交換効率の低下、オイルミストの付着、腐食性ガスによる機器の腐食など、工場特有の環境が空調設備の性能やメンテナンス性に影響する可能性があります。
そのため、特殊環境の工場では、冷房能力だけでなく、粉じん・油分・腐食性物質の有無、外気導入量、排気量、設置場所、メンテナンス性などを総合的に確認することが大切です。
TPR商事では、工場の環境や作業条件を確認しながら、スポット空調、ゾーン空調、特殊環境向け空調など、現場に適した空調方式をご提案しています。特殊環境の空調設備でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。