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高発熱設備のある工場を冷やすには?熱源周辺の空調・換気対策

2026.09.09
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「加熱炉周辺の暑熱対策を行いたい…!」とお考えではありませんか?

工場の暑さ対策として、まず思い浮かぶのがエアコンなどの空調設備です。しかし、高温になる設備が設置されている工場では、空調を導入しただけでは、「設備の周辺だけ極端に暑い」といった問題が起こることがあります。 

その原因の一つが、工場内にある高発熱設備から継続的に発生する熱です。加熱炉や乾燥炉、成形機、コンプレッサーなどから発生した熱が工場内に蓄積すると、空調設備に大きな負荷がかかります。

本記事では、高発熱設備のある工場を冷やす方法について、わかりやすく解説しています。

空調を入れても工場が暑くなる理由

工場に空調を設置しているにもかかわらず暑さが改善しない場合、単純に「エアコンの能力が足りない」とは限りません。

例えば、加熱炉から大量の熱が発生している場合、その熱が工場内に放出され続けると、空調設備は、発生した熱を継続的に処理する必要があります。 

さらに、工場は一般的なオフィスと比べて建屋が広く、天井も高い傾向があります。大型の製造設備や人、搬送車両などによって空気の流れも複雑になるため、冷たい空気が必要な場所まで届かないこともあるでしょう。

つまり、高発熱設備がある工場では、「冷やす」対策だけでなく、「熱を逃がす」対策も必要になるのです。

工場内の代表的な熱源

工場内では、さまざまな設備から熱が発生しています。代表的な熱源は以下のとおりです。

熱源特徴
加熱炉製品を加熱するため、大量の熱を発生させる
乾燥炉乾燥工程で高温の空気や製品から熱が放出される
成形機樹脂などを加熱・成形する工程で熱が発生する
モーター運転時に電力の一部が熱として放出される
コンプレッサー圧縮空気を作る際に大量の熱が発生する
ボイラー燃焼によって高温の排気や周辺への放熱が発生する
製造機械加工や摩擦、油圧などによって熱が発生する

高発熱設備がある工場で起こる問題

高発熱設備から発生した熱をそのまま工場内に放出すると、作業環境や空調設備にさまざまな影響を及ぼします。特に問題となるのが、作業者への熱負荷、空調負荷の増大、温度ムラ、熱気の滞留です。

設備周辺の温度が上昇すると、作業者が暑さを感じやすくなり、発汗量の増加や疲労など、作業時の負担につながります。工場内に放出された熱を空調で処理しようとすると、空調設備の負荷が大きくなり、消費電力も増加するでしょう。

工場全体を空調していても、熱源の近くと離れた場所で温度差が生じ、「工場の一部だけ暑い」といった状態になることもあります。 

こうした状態が続くと、既存の空調設備では十分に冷却できず、空調機を増設しても期待した効果が得られないケースがあります。そのため、高発熱設備がある工場では、空調だけで冷やそうとするのではなく、熱源から発生する熱をどのように処理するかを考えることが大切です。

熱源対策の基本は「熱を発生源の近くで処理する」 

高発熱設備がある工場では、熱を発生源からできるだけ工場内に広げないことが重要です。

例えば、加熱炉から発生する熱を工場全体に拡散させてから空調で冷やすよりも、熱源の近くで排気して屋外へ逃がせれば、工場内に蓄積する熱を減らせます。

この考え方を空調に当てはめると、「熱を発生させる設備の近くで処理する」→「残った負荷を空調で冷やす」という流れになります。 

そのため、高発熱設備の暑さ対策では、空調設備だけでなく、排気・換気・遮熱・断熱などを組み合わせて検討することが大切です。

工場の高温対策5つ

高発熱設備がある工場では、主に次の5つの対策が有効です。

  1. 排気
  2. 換気
  3. 遮熱
  4. 断熱
  5. スポット・ゾーン空調

それぞれを掘り下げて確認していきましょう。

1.排気

設備から発生する熱気や蒸気などを、熱源の近くから屋外へ排出する方法で、局所的な熱源から発生する熱を、その場で処理することがポイントです。 

特に、加熱炉や乾燥炉など、特定の設備から継続的に大量の熱が発生している場合は、熱源の近くで排気することで、熱が工場全体に広がるのを抑えられます。熱源から離れた場所まで熱が拡散してしまうと、工場全体の空調負荷が大きくなるため、「発生した熱をできるだけその場で処理する」ことがポイントです。

また、熱気だけでなく、工程によっては蒸気や油煙などが発生する場合もあります。こうした場合は、温度対策だけでなく、作業環境の改善という観点からも排気設備を検討しましょう。

2.換気

工場内の空気を入れ替えることで、室内にこもった熱を外へ逃がす方法で、大型換気扇などを利用した換気は、広い工場の熱気対策として有効な方法の一つです。

特に、天井の高い工場では上部に熱気が溜まりやすいため、適切な位置から熱気を排出することで、室内の空気環境を改善できる場合があります。

一方で、夏場に外気温が高いときは、外気を取り入れるだけでは工場内を十分に冷やせないことがあります。また、換気量を増やすほど空調負荷が大きくなる場合もあるため、「どの程度の換気が必要か」と「空調でどこまで冷やすか」を合わせて検討することが大切です。

3.遮熱

屋根や壁などから工場内へ伝わる日射熱を抑える方法です。

特に夏場は、太陽光を受ける屋根や外壁の表面温度が高くなり、そこから工場内へ熱が伝わります。こうした熱は、加熱炉などの設備とは異なり、工場の広い範囲に影響を及ぼしかねません。

例えば、屋根への遮熱対策を行うことで、建屋内部への熱の侵入を抑え、空調設備にかかる負荷を軽減できる可能性があります。高発熱設備への対策だけでは十分に温度が下がらない場合は、設備からの熱だけでなく、建屋外部から入ってくる熱にも目を向けることが大切です。

4.断熱

屋根や壁、配管などからの熱の伝わりを抑える方法です。

高温になる設備や配管などは、表面から周囲へ熱を放出しています。これらを適切に断熱することで、周辺への放熱を抑え、作業エリアの温度上昇を防げる場合があります。

また、断熱は設備から周囲への放熱を抑えることで、作業エリアへの熱の影響を軽減するだけでなく、空調負荷の低減にもつながります。 例えば、高温の配管から周囲へ熱が逃げている場合、断熱によって放熱の抑制が可能です。

5.スポット・ゾーン空調

工場全体ではなく、作業者がいる場所や一定の作業エリアを重点的に冷やす方法です。

高発熱設備がある工場では、熱源の近くで作業する人だけが暑さを感じているケースもあります。このような場合、工場全体の温度を下げようとすると、大きな空調能力が必要です。

そこで、作業者がいる場所に冷風を届けるスポット空調や、複数の作業者がいる一定範囲を冷やすゾーン空調を活用します。「設備周辺だけ暑い」「作業者が決まった場所で作業している」といった現場では、有効な方法です。

スポット空調とゾーン空調については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

作業者を直接冷やすスポット空調

高発熱設備の近くで作業する場合、スポット空調が有効な選択肢です。

加熱炉の操作や検査、製品の搬送など、作業場所がある程度決まっている工程では、必要な場所に冷風を届けることで、作業者が暑さを感じにくい環境をつくれます。工場全体の温度を大きく下げる必要がない場合には、全体空調と比較して効率的に暑さ対策を行えるのもメリットです。

TPR商事では、日本キヤリアのスポット・ゾーン空調システム『FLEXAIR®』を取り扱っています。FLEXAIRは、工場ごとのレイアウトや作業内容に合わせて柔軟に運用できる空調システムです。詳しい情報は、以下の製品ページをご覧ください。( ※FLEXAIR®は、日本キヤリアの登録商標です。)

大量換気が必要なら外気処理空調も検討する

工場では、熱気や臭気、粉じんなどを排出するために、大量の換気が必要になる場合があります。しかし、夏場に大量の外気をそのまま工場内へ取り込むと、外気の熱や湿気も一緒に入ってくるため、空調負荷が大きくなる場合があります。 

このような場合には、外気を取り込む際に温度や湿度を調整する外気処理空調を検討する方法があります。換気と空調を別々に考えるのではなく、「必要な換気量を確保しながら、空調負荷をどのように抑えるか」という視点で設備を検討することが重要です。

TPR商事では、外気処理仕様に対応した日本キヤリアの「シングルエース™」を取り扱っています。大量の換気が必要な現場では、外気処理空調の選択肢として検討しましょう。

シングルエースの詳細は、以下の商品ページをご確認ください。(※シングルエース™は、日本キヤリア株式会社の商標です。)

現場条件別の空調方式比較

高発熱設備のある工場では、現場の条件によって適した対策が異なります。以下の表は現場の条件別に検討したい対策をまとめたものです。

現場の状況検討したい対策
加熱炉などから大量の熱が発生する局所排気+換気
工場全体が暑い全体空調+換気
熱源周辺だけ極端に暑い排気+スポット空調
作業者の位置が決まっているスポット空調
一定のエリアに複数人が作業するゾーン空調
大量の外気を取り込む必要がある外気処理空調
屋根からの日射熱が大きい遮熱+空調
高温設備や配管からの放熱が大きい断熱+排気

重要なのは、「空調を強くする」ことだけを高温対策にしないことです。高発熱設備がある工場では、熱源から発生する熱を排気・換気によって処理し、屋根や設備からの熱を遮熱・断熱で抑え、そのうえで必要な場所を空調するという考え方が有効だといえるでしょう。

工場の暑さは、建屋の広さや天井高さ、熱源の種類、設備の配置、作業者の位置、換気量などによって大きく異なります。

そのため、「空調を増設すればよい」「大型換気扇を設置すればよい」と決めつけるのではなく、どこで熱が発生し、どこに熱が溜まり、誰がどこで作業しているのかを確認することが大切です。

高発熱設備のある工場の暑熱対策はTPR商事のお任せください

高発熱設備のある工場では、熱源の位置や能力を確認して、空調と排気・断熱・換気などの対策を組み合わせることが大切です。

もし暑熱対策でお困りであれば、TPR商事までお気軽にご相談ください。現場を直接確認させていただき、お客様に合わせた最適な方法をご提案いたします。