世界一堅い食品である鰹節を軟らかくする装置が、遠赤外線焼軟機です。
鰹節は魚偏に堅いと書きますが、文字通りその堅さのため、削りにくく、うまく削り節になりません。
少し軟らかくすると、削りやすくなり、きれいな削り節ができあがります。そこで加熱をして、鰹節を軟化させます。
温度をあげる事により、殺菌にもなります。また遠赤外線で加熱する事により、色や香りが良くなり、乾燥が進むなど、多くの利点もあります。
弊社の遠赤外線焼軟機は自動削り装置の前工程に設置され、多くの削り節メーカ様にご利用いただいております。
以前は鰹節を軟らかくするために、バッチ炉による蒸気蒸し(蒸煮処理)が行われていました。
しかし、蒸気で蒸すと、節からうまみ成分が失われてしまいます。
また節に水分が加わってしまうため、削った後にさらに加熱乾燥するなどの手間暇をかけ、その結果、さらに削り節の味、香り、色、形を劣化させていました。
遠赤外線焼軟機を使用すると、水分は1%程減少しますので、削った後の乾燥工程は不要です。
遠赤外線加熱の特性から生じる様々な効果によって、色、つや、香り、弾力性に富んだ良質の削り節が効率よく製造できるようになりました。
弊社の遠赤外線焼軟機は、鰹節の処理能力によって、1時間あたりの処理量が30kgの最小のものから、最大400kgのものまで、10種類のサイズを標準でラインナップしております。
小型の装置形状は1段式のコンベア炉で、電気容量は14kWです。
また、大型で設置スペースの効率を考慮した、投入機一体型の2段式、3段式コンベア炉(電気容量156kW)もあります。